モラハラ夫のモラハラエピソードを書いていこうと思います。
私はモラハラの怖いところは、気付かないところだと思いました。
気付かないんです。自分がモラハラをされているって。
夫の異常性に気付きませんでした。
モラハラエピソード、何から書けばいいのか悩みましたが、まずは自分では夫のモラハラだと全く気付いていなかった「息子に嫌いと言われる話」を書いていこうと思います。
私は息子に「お母さんのこと嫌い」と言われ続けた時期がありました。
息子が何度も何度も「お母さんのこと嫌い」「お母さんのこと好きじゃない」と毎日伝えてくれていました。
でも「お父さんのこと大好き」と息子は言います。
この時期は本当に、辛い日々だったように記憶しています。
私は一生懸命育児をしてきたつもりでしたが、全く育児をしてこなかった夫が好かれて、私は嫌われるのかと、哀しい気持ちでいっぱいになりました。
息子が私を嫌う理由は、赤ちゃん返りだと思っていました。
娘を妊娠してから、息子は私のことを叩いたり体当たりしてきたりと、激しい赤ちゃん返りぶりを見せていたので、それが産後もずっと続いているのだと思っていました。
実際に、「お母さんのこと嫌い」というだけでなく、私を叩いたりつねったり頭突きをしたり噛みついたりと、息子は私に対して攻撃的な態度をとることがよくありました。
私が息子のお世話をしようと思っても、「お母さんじゃない!」と泣き叫び、お父さんにやってもらいたいのだと私に怒鳴り散らします。
息子が自分の話をしだした時、私が返事をすれば、「お母さんには言ってない!」と、息子に怒鳴られることもよくありました。
お母さんにじゃなくてお父さんに話しかけているのだと、息子は私にキレていました。
正直、毎日息子にイライラしてしまっていました。
自分の今までの頑張りを息子に否定されたように感じてしまい、嫌いと言われる度に息子に優しく接することを難しく感じてしまっていました。
でも、赤ちゃん返りが原因だと思っていました。
そして、夫が好かれるのは役割分担のせいだと思っていました。
飴と鞭なら、飴が夫で鞭が私です。
夫は育児のいいとこどりで、息子に好かれるようなことばかりしていました。
私は息子が悪いことをしたら叱ります。寝る前にお菓子はダメだと言いましたし、テレビも長時間観続けてはいけないと言いました。息子が嫌がる歯ブラシや着替えをするように言うのも、トイレに行くよう促すのも私でした。
夫はと言うと、息子にお菓子やオモチャを買い与え、好きなだけテレビや動画を見せていました。
夫が息子を叱る時、夫は「お母さんが怒ってるから仕方ないね」「お母さんがダメっていうからやめようか」等々、私を悪者にするやり方で息子を叱り、何がいけないのかは説明しませんでした。
だから、息子のやりたいこと(お菓子をたくさん食べる、長時間テレビや動画を見る等々)を制限する私は嫌われて、息子の好きなようにさせている夫が好かれているのだと思っていました。
夫がお菓子やオモチャや動画を息子に与える理由は、それが一番楽だからです。
簡単に息子の機嫌をとることができ、父親としての威厳も保たれるからです。
息子にお菓子やオモチャや動画を与えている間、夫は自分の時間を楽しむために息子とは別行動で一人部屋にこもり趣味の時間に没頭します。
私はずっと、赤ちゃん返りにプラスして、夫婦の役割分担の問題だと思っていました。
夫の関わり方にも問題があると思っていました。
そして、「お母さんのこと嫌い」と言う時期なのだとも思っていました。
でも、そうじゃなかった。
それだけじゃなかった。
一番の理由は、夫のモラハラでした。
息子は毎日一生懸命「お母さんのこと嫌いなの」と伝えてくれていました。
朝起きたら、「おはよう」と言う前に「嫌い」と言います。
夜寝る時は、私が寝かしつけをしている間、ずっと「嫌いなの」と言い続けていました。
私が息子にふれるだけで激しいかんしゃくを起こし、お父さんを求め続けます。
私が息子を叱る度に「嫌い」と言うのではなく、食事中に言い出したり、家事をしている私のところへわざわざ言いに来ることもよくありました。
まるで言い聞かすかのように「嫌いなの」と息子は言い続けました。
怒鳴るように言う時もあれば、泣きそうになりながら言う時もありました。
でも、息子が私を嫌いと言うのは、夫や義両親が一緒にいる時だけでした。
私と息子と娘しかいない時、「お母さんのこと大好き!」と息子は言ってくれていました。
「お母さんのこと大好き」と言ってもらえて私が喜んでも、夫が帰宅すると「お父さんのこと大好き!」と息子は言い、私のことは眼中にないかのような扱いをします。
息子は知っていたんです。
夫が支配者だということを。
息子が私のことを嫌えば嫌うだけ、夫は上機嫌になりました。
息子が私を叩いたり突飛ばしたりすれば、夫は喜び息子を褒めました。
私のことを嫌いと言い、夫のことを「大好き」と言えば、家の中は平和になるのです。
息子は知っていたんです。
安全に暮らす方法を。
息子は当時、三歳です。
私はずっと、息子の言う「お父さん大好き!」は本当のことだと思っていました。嬉しそうに夫にじゃれつき、何度も「大好き」とはしゃぎながら息子は言っていました。
夫と離婚したいと思った時、こんなにも「お父さん大好き」と言うのだから、息子のために離婚しない方がいいのではないかと考えていました。
でもDV相談支援センターの方と義妹から、それは息子の本心ではないと指摘していただきました。
その時のことを書いた記事はこちらです↓
www.akanedonguri.com
本当に「お父さん大好き」と思っている部分もあるのだろうけど、それだけじゃない。
自分の身を安全な位置に置こうとして言っているのだと、指摘されて初めて気付きました。
それまでずっと、気付けませんでした。
息子に「嫌い」と言われることにストレスを感じていましたが、それを見た夫が喜ぶことにはストレスを感じていなかったと思います。
いつものことだと流してしまっていました。
あまりにも当たり前のことすぎて、それが異常だと認識できずにいました。
イライラはしていましたが、夫のことよりも息子のことばかり考えていて、夫のモラハラに気付けずにいました。
息子がこのまま、夫のような性格になってしまったらどうしようとか、息子がこのまま、私のことをどうでもいい存在だと認識しだしたらどうしようとか、息子が息子でなくなってしまうような感覚が怖くて、もしそうなってしまったら耐えられないと考えていました。
赤ちゃん返りがこんなに長く続くものなのかと悩んだり、自分の育て方がいけなかったのかと悩んだり。
自分に原因があると思い込むのも、モラハラの被害者にはよくあることのようです。
でも家の中の空気が何だか変だなとか、重苦しいなとか、楽しくないなって感覚はありました。ずっとありました。ずっとあったから、それが当たり前で、異常なことだと気付けませんでした。
夫と別居した今、息子は「お母さんのこと嫌い」と言わなくなりました。
息子に「嫌い」と言われ続けて私は辛かったけど、息子も「嫌い」と言い続けることを辛く感じていたんじゃないかなと思います。
何故息子が半泣きになりながらも一生懸命私に「嫌いなの」と言い続けるのか、当時の私は理解することが出来ませんでした。
また、息子は楽しそうに「嫌い」ということもあり、これは夫の真似をしているんだなってことも、当時の私は気付けずにいました。
夫が息子に指示を出して、お母さんのこと嫌いって言うように息子に言ったわけじゃないんですよね。
息子が空気を読んで、「お母さんのこと嫌い」「お父さんのこと大好き」と言っていたわけです。
今はにこにこ笑顔で「お母さんのこと大好き~!」と言ってくれます。
なんで気付かなかったのかなって思うのですが、それはもう、夫に支配されコントロールされていたからかなと思います。今でも麻痺した感覚が完全に元に戻ったわけではなく、この話が酷い話なのか、たいしたことない話なのか、自分では判断がつきません。
でも、酷い話なのだと思います。子どもを巻き込んでいるのだから酷い。私は辛い思いをしたのだから酷い。そうやって、一つずつ確認して、夫が悪いのだと理解していきます。
自分の感情と感覚では、酷いと感じることが出来ません。
「この程度のことでモラハラ?」って言われるんじゃないかって恐怖もあります。
でも、そんな自分の感覚がおかしいと理解はしているので、この話は酷い話だと、自分の中では結論付けています。
私が嫌だなって思ったら、それはもうモラハラなんだと、それでええやないかと思うことにしています。
モラハラが治らないのはよく聞きましたが、モラハラの被害を受けた自分の感覚がなかなか治らないのは知りませんでした。
モラハラって根深いんですねぇ。
夫のモラハラを理解するためにも、またモラハラエピソードを書いていこうと思います。