モラハラをする人間は、独自のルールを作り、それを被害者に押し付けます。
私は結婚生活の中で、理解できないルールを強いられ、非常にストレスを感じていました。
今回は、「息子をバスに乗せてはいけない」ルールについて書いていこうと思います。

私は息子を連れて、少し遠くの大きい病院へ行かなければいけないことがありました。
普段、かかりつけの病院へ行くときは、息子が赤ちゃんだった頃はベビーカーや抱っこ紐、大きくなってきて息子が元気な時は、一緒に歩いて小児科まで行っていました。
ですが、大きい病院は歩いていくには遠く、バスかタクシーを利用したい。
(健診なので、息子は元気です)
モラハラ夫には、「タクシーで行ってきて」と言われました。
まだ息子が小さいから、バスは危ないから、そんな理由だったらわかります。
ですが、モラハラ夫の理由は一味違うのです。
「俺の大事な可愛い息子に、不特定多数の人間がいる空間を共有してほしくない」
「汚い人間の吐いた息でいっぱいの空気を共有してほしくない」
……。
また、わけのわからないことを言い出したなと思いました。
この頃の私は、こういったモラハラ発言には慣れてしまっていて、「また始まったか」と思うだけであり、こういった発言をするモラハラ夫の異常性に気付けずにいました。
モラハラ夫は続けていいます。
「もちろん、息子がいる時限定だから」
「どんぐり子ちゃん一人の時は、当然バスを利用してよね」
「息子とどんぐり子ちゃんだと、格が違うんだよ?」
「息子の方が格上なのは当然だろう?」
「あれ?知らなかったの?(笑)」
俺が特別扱いするのは息子だけで、お前は違うんだよ(笑)と、ニヤニヤ笑うモラハラ夫。
息子の目の前で、私を見下す発言を繰り返します。
ママをバカにしたり見下したりするパパを見て、息子は何を思っていたのだろう。
子どもの教育に悪いし、息子が私を見下してもいい存在だと思ってしまうから、そういったことは言わないでほしいというも、モラハラ夫は平然としています。
「だって、本当のことだろう?」
「本当のことを言って、何が悪いの??」
冗談なのか、本気でそう思っているのか、どっちなのかは分かりません。
軽い冗談のつもりなのかもしれないし、冗談ならば、この程度の冗談で怒る方が悪いと逆切れします。
本気でそう思っているのなら、本当のことなんだから仕方ないだろと、これ見よがしにため息をつきます。
子どもの前で私をバカにするのはやめてと訴えるたびに、ケンカになります。
この程度のことで怒る方がおかしい。
本当のことを言って何が悪い?
言われたくないんだったら、言われないだけのちゃんとした人間にならなければいけない。
そんなモラハラ夫の主張を押し付けられて、ずいぶんとする必要のない努力をしてきました。
話をバスに戻します。
「タクシーで行ってきて」と言われ、私はタクシーで息子を連れて行きました。
バスを利用しない理由は何であれ、タクシーを利用した方が、周りの人に迷惑がかからないので、気が楽なのです。

その後も病院へ行く機会はありましたが、全てタクシーを利用していました。
そんなある日、モラハラ夫が言いました。
「そういえばさ、病院へは何で行ってるの?」
私がタクシーで行ってるよと言うと、
「えぇーっ!!??」
「タクシー使ったの!!??」
非難めいた声で言ってきます。
どうやら、自分の発言をすっかり忘れているよう。
そしてモラハラ夫は、妻が楽になることを嫌います。
自分が関わらない出費も嫌います。
バスならもっと安いのに、わざわざタクシーを利用して楽して行くなんてと、なんでバスじゃないのかと、なんでタクシーを使ったのかと、モラハラ夫は驚いていました。
いやいや、驚くのはこっちだよ。
なんで自分の言ったことを忘れてるんだよ……。
前にタクシーを使えって言ったよね?
そう私が話すと、モラハラ夫にしては珍しく、自分の言ったことを思い出したようで、
「あ~~そう言えば言った?かなぁ~??」
「まぁいいよ、タクシーでも」
と言い、この話は終わりました。
もちろん、自分がタクシーを使えと言っておきながら、私がタクシーを使ったことを責めた謝罪はありません。
こういったことが特別なことではありません。
これが日常です。
毎日とまではいかなくても、毎週、何かしらの嫌なことが起こる。
これが日常だから、当たり前だから、だから、深刻なモラハラにあっているんだと気付けずにいました。