今日は離婚出来ないと思い込んでいた私が、離婚を決意できた話を書いていこうと思います。
ポイントは3つあります。
●DV相談支援センターに相談に行けたこと
●モラハラの心理やカラクリを知れたこと
●味方になってくれる人達が周りにいたこと
どれか1つでも欠けていたら、決意出来なかっただろうなと思います。
DV相談支援センターとは、その名の通り、配偶者等からの暴力の相談にのってくれたり、問題解決に向けた各種制度の利用案内や助言をしてくれる所です。
ここへ相談に行けたきっかけは、子どもの発育のことでお世話になっている保健師さんに後押しされたからでした。
電話で事前に予約をとり、面談に行ってきました。
上の子が幼稚園に行っている間に、下の子をベビーカーに乗せて行きました。
面談で、保健師さんから後押しされて来たこと、夫の普段の言動のことなどを話しました。
「とても狡猾で危険な人物です」
「あなたが我慢することじゃない」
「虐待のニュースがやってるけど、そう遠くない位置にいると思います」
「モラハラは被害者には何の落ち度もないんです」
「離婚して、自分の人生をやり直しませんか?」
と言われました。
ここに来るまでに保健センターで心理の先生にも夫のことを話したことがあって、その時も同じようなことを言われていたので、やっぱりそうなんだ……と思いました。
でも、すぐに離婚は決意できなかったです。
自分にとっては離婚という選択肢がとても現実的に見えたことが青天の霹靂で、すぐに状況を理解し受け入れることが難しく、ひどく混乱していました。
専業主婦なのに大丈夫かな?
私に仕事が見つかるかな?
実家に帰ったら田舎だから車の運転は必須だけど、ペーパードライバーだから運転怖い……。
息子は幼稚園に楽しく通っているのに、辞めさせるのが申し訳ない。
お友達とも会えなくなってしまう……。
子どもからお父さんを奪ってしまうことになるけど、いいのかな……。
色々な考えがぐるぐる。
特に悩んだのが、息子は「僕、お父さんのこと大好き!」とよく言っていたんです。
そのことを相談すれば、それは子どもの本心ではなく、そう言わなければ自分の身が危ないから言っているのではないかと言われたのですが、何となくピンときませんでした。
息子は、おもちゃを買ってくれる、お菓子を買ってくれる、外食に連れていってくれる、好きなだけ動画を見せてくれるお父さんが大好きなのです。
夫は育児のいいとこどりで、物でつるような関わり方をしていました。
特に動画は一日中見せることも多く、私がやめるように言うと「お母さんがやめろって言うから仕方ないね」と私を悪者にするので、息子からは「僕、お母さんのこと嫌いなの」と言われることも多くありました。
離婚という言葉が頭から離れないまま帰宅し、今度は夫が出張でいない夜に、弟夫婦に電話で相談しました。
実家に帰ることになれば、近くに住む弟夫婦にも迷惑がかかると思ったからです。
二人とも、離婚に賛成してくれました。
「コイツ頭おかしいやろ」
「もう犯罪者として逮捕されへんかな」
と言い、私に問題があるわけではないと言ってくれました。
そして、義妹は虐待を受けている子ども達を助ける仕事をしているのですが、モラハラの心理について、詳しく教えてくれました。
この頃の夫は少しだけ家事をやるようになったり、外出先で暴言を吐く回数が減ってきたりしていました。
夫は外出先で暴言を吐くことが少なくなった理由について、
「俺はどんぐり子ちゃんと子どもの為に我慢してやってるんだよ」
と言っていました。
私は、子どもにとって悪影響なことに気付いてくれたのかな?少しマシになったのかな?と思ってたんですが、
「それは、マシになったんじゃなくて悪化してるんですよ!」
と義妹が解説してくれました。
「暴言吐くとか、しないのが普通!やらないのが当たり前!」
「当たり前のことを、ほんのちょっとやっただけなんですよ!」
「酷いことしといて、今はそれをやらずに我慢してやってるとか、めちゃくちゃ恩義せがましいな!って怒るとこなんですよ!」
と言われ目から鱗でした。
「モラハラ男は放火魔であり、消防士でもあるんです」
「モラハラ男は自分で火をつけて被害者の生活のベースを苦しいものにしてしまうんですが、その火を消すことが出来るのは火をつけたモラハラ男だけなんです」
「モラハラの被害に合う人ってね、とても小さなことで、当たり前のようなことで幸せを感じたりするんですよ」
「それってね、モラハラ男によって普段の生活が苦しいからなんです。だからモラハラ男がモラハラをしなくなると、それだけで幸せを感じてしまうんですよ」
「お義兄さんはお義姉さんに執着しますよ」
「モラハラする人ってね、人を選んでやってるんですよ。モラハラを受けながら、やめた方がいいって注意しつつ、それでも側にいてくれる人を好んで選ぶんです」
「お義姉さんいなくなったら、モラハラを受けてくれる人がいなくなるから、絶対にお義姉さんを手放そうとしませんよ」
「息子ちゃんもね、家庭内のヒエラルキーのバランスがおかしいことに気付いてるんですよ」
「お父さんの方が権力を持ってるってわかってるんです。だから不安定な家庭内でより自分の身を安全な位置におこうとして、お父さん大好きって言ってるんですよ」
「もちろんオモチャ買ってくれたりするお父さんが好きっていうのもあったりはして、本当にお父さんが大好きっていう部分もあるとは思うんですけど、子どもはすごい空気を読みますよ」
「虐待するような親でもね、子どもは大好きって言うんですよ」
「どんな親でもね、子どもは大好きなんです」
「もうすでに息子ちゃん歪んできてるじゃないですか」
「このままやと、娘ちゃんも同じようになりますよ」
「今やったら、まだやり直せますよ」
と教えてもらい、目から何枚鱗が落ちたかわかりません。
子どもの為に離婚出来ないと思っていたけど、子どもの為に離婚した方がいいと思いました。
「離婚するってね、これからめちゃくちゃ大変なことがいっぱいあると思うんです。本当にこれでよかったのかなって何年も悩むやろうし、子どもに恨まれることもあると思います。でも、それでいいんですよ。いつか絶対に、あの時離婚してよかったって思う日が来ます」
そう言われて、離婚への気持ちが強くなっていきました。
その後、また面談に行き、義妹に教えてもらった話をしつつ、自分の気持ちが離婚に傾いていることを話しました。
それでも、まだどこかで自分が悪いのでは?と思っている自分がいました。
本当は夫に酷いことなんてされていないのに、私が大げさに話をして皆を騙しているのでは?私は被害者ぶっているのでは……?
夫には喧嘩した時に「被害者ぶらないでよね」と言われていたのです。
恐る恐るそのことを話すと、
「だって、あなたは被害者なのよ!」
「あなたがそんな風に思ってしまうのも、モラハラを受けているから!」
「ここには血を流しながら駆け込んでくる人もいる。あなたはその人達と変わらないくらい酷いことをされているのよ」
「あなたがとってもかわいそうに見える」
そう言われて、やっと、
そうか、私は被害者なんだ、被害者だと思っていいんだ……と思えました。
モラハラについて調べていた時、モラハラの被害者は自分を被害者だと認識していない場合が多いという内容の記事を読んだことがあるのに、それが自分にも当てはまっていたなんて思ってもいませんでした。
逃げていいんだ。辛いと思っていいんだ。離婚していいんだ。
すごくドキドキしました。
自分の身に起こっていることが信じられないような気持ちでした。
でも、離婚したい、離婚しようと思えたのです。
「一人で悩まずに、周りの人を巻き込んでください」
と帰り際に言われ、その日の面談は終わりました。
そして本当に多くの人を巻き込み、別居しました。
離婚するために、まずは別居するようにその後の面談で言われたのです。
夫に離婚したがっていることがバレたら危険なので、夫にバレないように準備をして置手紙を残して家を出るのです。
家を出る日まで、毎日緊張していました。
それでも、自分の周りにいる人達が、
味方になってくれた。心配してくれた。助けてくれた。応援してくれた。
それがすごく励みになり、自信に繋がりました。
夫にはダメな人間扱いされていたけど、本当に私がダメな人間だったら、誰も助けてくれないんじゃない?
手を差し伸べてくれる人がいるという事実が、とても心強くありました。
夫と義両親さえいなければ、住み続けていたい町だったなと思います。
いい人達ばかりで、とても恵まれていました。
家の中はとても居心地が悪く、自分でも気付かないうちに当たり前のように苦しさがあったのですが、外の世界には希望があると思えたのです。
自分の周りには、私を一人の人間として扱ってくれる人達がいるんだってこと、その事実が離婚への気持ちをぐいぐい押し上げてくれました。
そして、はっきりと、
夫、いらない!
と思えたのです。