HUNTER×HUNTERは、間違いなく自分に影響を与えた漫画のうちの一つである。
HUNTER×HUNTERに出てくる言葉で好きな言葉はたくさんあるけど、強く印象に残っているのは、
「その人を知りたければ、その人が何に対して怒りを感じるかを知れ」っていうセリフ。
1巻に出てくる、主人公のゴンのセリフ。
あぁそうだな、そうだよねって、ストンと納得してホッとして、なんだか嬉しかった。
子どもの頃から、自分が怒りを感じていることは、理解してもらえないことが多かったように思う。
「そんなことくらいで怒りなーや」
「もう許したったら?」
「他の人は怒ってないのに、なんでどんぐり子ちゃんは怒るの?」
なんて言われて、モヤモヤしてきたことがたくさんある。
何に怒りを感じるのか、それは人それぞれ違うのだろう。
私が怒ってることも、その理由も、何でもないことのように扱われて悔しいし寂しかったのだと思う。
理解してもらえないのは虚しい。
今回の離婚の件でもそう。
モラハラ夫と義両親にされてきたことに私は怒りを感じていた。
それに対して、周りの人に怒りに共感してもらえた時は嬉しかった。
でも、そうじゃない人もいる。
「反省しなきゃダメだよ」
「子どもが可哀想」
「モラ夫さんのこと、ちゃんと許してあげないとダメだよ」
なんて、そんなことを言われたら、何もわかってないのにごちゃごちゃ言わないでって思ってしまう。
「ちゃんと相手の気持ちを考えないとダメだよ」
って私にお説教してくる人は、私の気持ちを考えてくれたことが一度でもあるのだろうか?
「あなたの気持ちは分かるけど、それは間違ってるよ」って、私の怒りを理解した風に言われてイライラが増してしまう。
自分の怒りを「間違ってる」って決めつけられたり、「そのくらいのことで」なんて軽んじられると、ものすごくしんどいしイライラするのである。
私は私の怒りもその理由も知ってほしかったし理解してほしかったのだ。
それが叶わない相手とは、距離をとった方が賢明だろうな。
何度説明しても理解されない。
「そのくらいのこと我慢しやんなあかんで?」って、怒りを鎮めるように言われるのは納得できない。
モラハラ夫が相手の時もそうだった。
「この程度のことでいちいちうるさい」
「細かすぎる」
なんて言って、私が怒る度にそれ以上に怒ってみせた。
私の怒りをモラハラ夫は許さないのである。
そして、モラハラ夫が何に対して怒りを感じるのかは、よく分からないのである。
その時々の機嫌とモラハラ夫の都合次第で急に爆発したりするから。
子どもが泣くからゲームに集中出来ないとか、子どもが騒ぐからゆっくり昼寝出来ないとか、子どもがうるさいからストレスがかかるとか、とにかく自分の思い通りに子ども達が大人しく過ごさないことに腹を立てていたな。
私に対しても、俺に話しかけたとか、俺のゲームの邪魔をしたとか、俺の昼寝の邪魔をしたとか、休日一人で外出することに文句を言うとか、とにかくよく怒っていたな。
でも、全部、私には理解できない怒りだった。
なんて自分勝手なんだろうって。
なんて幼稚なんだろうって。
自分のことしか考えていないように見えた。
モラハラ夫の怒りは理解したくない。
モラハラ夫のことを知りたいとも思わなくなった。
モラハラ夫が怒りを感じるのは、いつでも俺を最優先にしろ!っていう主張が通らなかった時に多い。
どうしても、自分勝手に癇癪を起しているようにしか見えない。
人にされて嫌だったことは、自分は人にしないように気を付けている。
だからモラハラ夫の怒りについても、最初は深く考えてしまっていた。
私は「そのくらいのことで怒る~?」なんて自分の怒りを軽んじられることが嫌だったから、モラハラ夫が怒った時に、モラハラ夫が怒るだけの理由があるはずだ、私にはその程度で普通怒る?って思ってしまうようなことでもモラハラ夫にとっては大事なことだったのだと思い込み反省していたけど、全然そんなことなかった。
モラハラ加害者の特徴に、些細なことで激怒するというのがある。
私が見落としているモラハラ夫にとっての大事な何かなんてものは存在してなくて、モラハラ夫は怒りを私にぶつけてストレス発散したいだけだった。
お前が悪い、俺を怒らせるのが悪いんだって、私には理解できない理由で怒り狂う。
真剣に、まともに向き合ってはダメだったのだ。
モラハラ夫の怒りは自分勝手なものばかりだから、モラハラ夫がいかに自分勝手な人間かということが知ることが出来た。
何を大切にしているか。
何を優先しているのかは、人それぞれ違う。
だから、怒りのポイントも違う。
そこからその人を知ることが出来るのは興味深い。
誰かが怒っているのを見た時は、ふとHUNTER×HUNTERを思い出すのである。
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