私はよく夢を見る方で、夢の内容を覚えていることも多いです。
それから、自分で夢であると自覚しながら見ている夢、明晰夢を見ることも多いです。
昔、まだ明晰夢を見ることのなかった頃、友人が自分の見たい夢を自由に見て夢の内容をコントロールできることがあると話していました。
どうやったらそんなことが出来るの!?
やってみたい!
って思っていましたが、特に何もすることなく、気付けば明晰夢をよく見るようになっていました。
夢の途中で、「あ、これ夢だ」って気付いたら、夢の中で自分の好きなように行動できるのは楽しいです。
思えばモラハラ夫と結婚していた頃が、一番明晰夢を見ていた気がします。
風にそよぐ花畑、光り輝く湖の水面、緑の草原、見晴らしのいい丘、まるで絵画の中のような、ファンタジーの世界に迷い込んだかのような美しい風景の中に立っていた。
こんな気持ちのいい場所に現実の世界でも行けたらいいのにな~と思いながら、せっかくきれいな夢を見れたんだから、今のうちに楽しんでおこう!とその景色を目に焼き付けておきました。
今でもどんなに美しかったか覚えています。
自由のない結婚生活、モラハラ夫が拒否するからどこにもなかなか遊びにも行けない。
そんな生活だったから、夢の中でくらいと望むままに出かけられたのかな。
私の明晰夢は現実逃避だったのかもしれない。
モラハラが悪化していくほどに、夢を見ている時間が長くなっていったように思います。
明晰夢はいい夢の時もあれば、悪夢もありました。
この悪夢が本当に怖くて、一時は夜に眠ることに恐怖を感じるくらいでした。
産後がとにかく一番酷かった。
息子の時も娘の時も、どういうわけか帝王切開の手術が終わった後、とんでもない悪夢を見たのです。
麻酔が何か関係していたのだろうか?
病院という場所が、何か関係するのだろうか?
ベッドの上で仰向けになって動けない私の頭上に、ひたすら異形の妖魔のような集団が近づいてくるという夢なのですが、あまりの恐怖に何度も夢から覚醒した。
そして起きた後は、「またあの怖い夢を見たくないから、もう眠りたくない!」と思うのですが、いつのまにか眠って、また声にならない悲鳴をあげて覚醒。
多分、病室だからと理性を働かせて大声は出してなかったと思うけど……。
入院中はずっと眠ることが怖かったです。
息子の時も娘の時も全く同じ悪夢で、なにか意味はあったのだろうか?
娘の時は、手術も怖いけどその後に見るかもしれない悪夢も怖いと、出産前からドキドキしていました。
悪夢は他にもあります。
明晰夢で、目覚めることが出来ないのが本当に怖いのです。
「あ、これ夢だ」
「起きたいけど、どうやったら目覚めることが出来るの??」
と、夢の中で何とか覚醒しようとするのですが、出来ないのです。
まるでゲームの世界のようだけど、夢の中にあるセーブポイントに辿り着いてセーブをしなければ現実の世界に行けない夢。
セーブはまだいい方で、よくあるパターンが夢の中で死ななきゃ覚醒しないというもの。
戦争をしている夢の時は敵に見つかって殺されそうになって、
「最期に何か言い残すことはある?」
って聞かれて、
「早く目覚めたいの」
って答えたら、それで覚醒できた。
夢の中で殺されたのかな……。
まだ平和だったのが、自分で自分を起こそうとした夢。
それは友人と遊びに行く夢だったのですが、途中で夢だと気付いて「もう起きなきゃ」って思ったんです。
でも目が覚めない。
そうだ!寝る前に自分はスマホを枕元に置いておいたから、自分のスマホに電話をかけたらその音で起きるんじゃない??
って、そんな無理なことをナイスアイデア!みたいに思っていた夢の中の自分。
すぐに気付いて、出来るわけないやーんってショックを受けていた。
不思議だったパターンもあって、それは夢の中で起こしてもらったんです。
夢の中に出てきた誰かに、
「そろそろ起きた方がいいんじゃない?」
って声をかけてもらって目覚めた。
夢の中で起こしてもらったのはこの一度きり。
夢を見るのは楽しいけれど、疲れることも多くありました。
明晰夢を長時間見続けていると、寝た気がしないのです。
一日疲れて布団にもぐりこんで眠ったと思ったら、夢の世界で一日が始まるのです。
夢の世界の一日が終わったら、現実の世界の一日が始まるのです。
私、いつ寝てるの?????
って思うくらい寝た気がしない。
あっちの世界とこっちの世界と行ったりきたりしている感覚。
身体は眠っているはずなのに、ずっと起きて活動し続けているような気がします。
この頃は疲れがなかなかとれないなと感じていました。
明晰夢は楽しいけれど、疲れることも多いことを実感しました。
そして今日、また明晰夢を見ました。
朝起きて、今日はちょっと車の運転をしてみたい気分で、ふら~っと車に乗り込んでドライブ。
着の身着のままパジャマのまま。
寝ぐせがついていて、顔も洗っていない。
スマホも免許証も何ももたずに、近くの公園までのつもりで運転。
道路は普段運転している時よりも格段に難易度が高く、車線変更する度に他の車とぶつかっていたんじゃないかと思う。
そのうち迷子になって、見知らぬ土地へ。
この時はまだ夢だと気付いてなくて途方にくれていたところへ、一人の若い女性と出会いました。
彼女にスマホをかしてもらって、現在地も道も教えてもらって家へ帰ることが出来た。
その頃には夢だと気付いていて、とんでもないことをしでかしてしまったけど夢でよかったと思っていました。
そして、彼女に名前を教えてほしいと言いました。
これは夢だけど、あなたにお礼がしたいから名前と連絡先を教えてほしいってお願いしたんです。
ノートを取り出して、名前を書いてもらった。
夢の中で私は、夢だから全部消えちゃうけど、後でノートを見返したら思い出せるかもしれないと思っていました。
朝起きて、そうだよ!ノートは夢の中だから現実には存在しないよ!とショックを受けました。
夢を見ていた時は忘れないように覚えておこうと思っていたのに、朝起きたら彼女の名前が思い出せない。
漢字二文字の苗字に、名前も漢字二文字だったような。
まだ大学生で、21歳だった。
名前のどこかに「藤」の漢字があった気がする……。
夢の中で友達になってくれたんですが、もう会えないのかな。
セミロングの髪で、笑いながら帰り道を教えてくれたのに。
夢なのに、なんだか本当にあった出来事のようで不思議です。
今では悪夢を見ることもなくなったし、夢と現実をいったりきたりするような生活もありません。
なかなか夢から目覚めることが出来ない夢をみることも今のところない。
夢の中も平和になってきたのは、ありがたいことです。