結構前の話になるのですが、離婚が成立する前の別居期間中にクレヨンしんちゃんの映画のDVDを観ました。
『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲』
この映画は子どもの頃に一度観たことがあります。
その時は、面白いし感動するし、いい映画だなと思っていました。
「20世紀博」という、昔の暮らし等を再現したテーマパークににハマった大人たち。
毎日のように「20世紀博」に行くハマり方は異常です。
そのうちに、ひろしは会社に行かない。
みさえは家事をしない。
町中の大人達がおかしくなってしまった……。
この映画を観て衝撃的だったこと。
それは、ひろしとみさえがおかしくなってしまうシーンです。
晩御飯を食べずに、お風呂に入らずに、自分たちだけ適当に布団をかぶって寝てしまう。
しんのすけとひまわりに晩御飯を作ってあげないし、お風呂にも入れない。
翌日は朝からお菓子とジュースを暴飲暴食。
しんちゃんに注意されると「うっせーな!!」と返すひろし。
当然、しんちゃんとひまわりの朝ご飯はないから、しんちゃんが妹のひまわりにご飯を食べさせてあげます。めちゃくちゃいい子やで……。
(自分はお菓子を食べつつ、ベビーフードらしきものをあげている様子。)
その後、ひろしは会社に行かず、みさえは家事をせず、二人ともごろ寝。
しんちゃんに何を言われても、幼稚な返答しかしないひろしとみさえ。
完全に育児放棄です。
その後しんちゃんは幼稚園に行くと言って、妹のひまわりをおんぶして、自力で幼稚園まで行きます。
妹のひまわりを連れて行くなんて、なんてすごいお兄ちゃんなんだろうと感動。
ひまわりは0歳だから、一人残しておけないよね。
この、育児放棄したひろしとみさえ。
これ、どこかで見たことある。
めちゃくちゃ見覚えがある。
あぁ、これ、いつもの我が家だ。
この育児放棄という異常な光景が、日常だった。
ひろしの行動が、そっくりそのままモラハラ夫です。
「とうちゃんかあちゃんなにやってんだー!」
「とうちゃんもかあちゃんもどうかしてるぞ!」
って、しんちゃんは言う。
そうか、しんちゃんはこの状況を異常だと判断できるんだ。
そうだよね、これが普通なんて、おかしいよね。
改めて、酷い環境で育児をしていたなと実感しました。
しんちゃんは毎日普通に暮らしていて、ある日両親がおかしくなったから「どうかしてる」って思えたけど、私の息子は父親がおかしいのが日常だったから、「どうかしてる」って思ってなかったんじゃないかな。
ひろしの行動がモラハラ夫に酷似していて、ひどく動揺しました。
そうか、やっぱり夫はおかしかったんだ。
私が普通だと思い込まされていた日常は、普通の人から見たら異常なんだ。
この日常が嫌だと思う自分の感覚が間違っていたのではないという安堵。
同時に、こんな環境で育児していたなんて子ども達に申し訳ないという気持ち。
客観的に我が家の日常を見ることが出来た気がして、自分で思っていた以上に異常な環境下にいたんだなと感じました。
衝撃的すぎて、映画の続きが頭に入ってこない。
そして、この映画には、泣けると話題のひろしの回想シーンがありますが、もう、それどころではない心境。
家族の絆が描かれる度に、えぐられるような気がするのは何故なのか。
野原一家のような、明るく元気で仲の良い家族に対する憧れと、もう手にすることが出来ない現実。
もっと自分が頑張っていれば……なんて思ったりしないけど、子ども達のことを思うと、家族皆で仲良く暮らすことが出来ていればよかったのにとは思いました。
でも、モラハラ夫は私を家族としてカウントしてなかったので、最初から無理だったんだな。
子ども達に対する申し訳なさで、心がぐらぐらしました。
しんちゃんの映画はよかったです。
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