モラハラをする人間は、独自のルールを作り、それを被害者に押し付けます。
私は結婚生活の中で、理解できないルールを強いられ、非常にストレスを感じていました。
その中の一つが、「他人を家にあげてはいけない」というもの。
出来るだけ家の中に、見ず知らずの人間を入れたくない。
これはモラハラ夫にとっての見ず知らずの人間ということなので、私の友達も立ち入り禁止ということです。
そして、業者さん。
出来るだけ、家の中に入れるなと、そんなの無理じゃない??
どうしても家の中に入らなければ仕事にならない場合は仕方ないけど、それ以外は玄関に足を踏み入れさせるなと、私に命令してきます。
私が困ったのが、宅配業者さんです。
重たい荷物を届けてくれる人は、たいてい、「重いですよ」と声をかけてくれます。
「重いから、ここに置いておきましょうか?」と、玄関先で荷物を渡すのではなく、一歩中まで踏み込んで、玄関マットの上に置いてくれることがよくあります。
これを、許さないのです。
見ず知らずの汚い他人が俺の家に侵入するなという思考のようで、宅配業者を絶対に中に入れるなと、きつく言ってきます。
このわけのわからないルールに、さらに自分勝手なモラハラ思考が組み合わさって、私が理解できない荷物の受け取り方を指示されました。

ある日、モラハラ夫に、明日荷物が届くから受け取るようにと言われました。
その荷物とは、「水」。
2リットルのペットボトルが、12本同じダンボールに入っています。
これが二箱届きます。
めちゃくちゃ重いです。
まず、家の中に宅配業者を入れるなと言われました。
次に、重くてもてないだろうから、私は荷物を受け取るなと言われました。
じゃあどうするの?
家の前に置いてもらうの?
家の前に置くなんて不衛生だから、絶対に置かせるなと言います。
もう、どうしろっていうの??
どうやって受け取れっていうの??
モラハラ夫の答えは、「俺の父親を呼べ」でした。
理解できない。
どういうことなの??
詳しく説明を聞くと、
まず、宅配業者にインターホンを押されたら、私が義父に電話をして、すぐに来てもらう。
宅配業者はそのまま待たせろ。
そして駆け付けた義父に家の外で荷物を受け取ってもらい、義父がその後、家の中まで荷物を運ぶ。
これで完璧。
……。
そんな荷物の受け取り方、聞いたことがない。
待たせろって、めちゃくちゃ宅配業者の人に迷惑がかかる。
絶対に父親を呼べ、父親には俺から連絡しておく。
有無を言わさす詰め寄られ、そんなの出来るわけないと思いながら押し切られた。
宅配業者の人をずっと待たせるなんて失礼じゃないと言うも、こっちが客なんだから客の方が偉いんだと言って聞きません。
絶対にこのやり方以外で受け取るなと言われ、絶対にそんなことしたくないと、嫌で嫌でたまらない。
だって、「重いからここに置いておきますよ~」と善意で言ってくれる人に対して、いやいや、義父が来て受け取るので、それまでずっと待っててくださいって、そんなバカなことある??出来る??出来ないでしょと、ずっと悩んでいました。
そもそも義父はこの話に異論はないのだろうか。
そして当日。
ピンポーンとなるインターホン。
慌てて義父に電話をかけたら、「とりあえず行けばいいんですね?」と返事が。
義父はこっちにむかってきている。
でもすぐに着くわけではないから、私が外まで出ないと宅配業者の人は不在と思って帰ってしまう。
案の定、「重いですよ」「重いから中に入れちゃいますね~」と言ってくれる。
義父はまだこない。
「ここに置いてください」と、家の外に置いてもらうことも禁止。
どうすればいい??
混乱する頭で、
「大丈夫です~~」と言いつつ、2リットルのペットボトルが12本入った段ボールを二箱連続で私が受け取った。
めちゃくちゃ重いけど、義父が受け取るのと私が受け取るのと、そう大差はないだろう。
モラハラ夫が、私には重くて持てないと予想していただけで、私が持てれば問題はないはず。
死ぬ気でダンボールを受け取った。
業者さんが帰った後に、義父がやってきた。
近距離別居といえど、やはりこんなやり方無理があったのだ。
義父がつくまでの間、ずっと玄関先で宅配業者の人と待ち続けるなんて私には出来ない。
「あれ?」
「もう帰っちゃいました?」
そう言う義父に、もう終わったと説明をした。
「○○ちゃんに言われたんだけど」と、息子から荷物を受け取るように言われたから来たと説明されたけど、義父は何をすればいいのか分かっていなかったようでした。
せっかく来てもらったけれど、何もしてもらうことはない。
そのまま帰ってもらったけど、なんだか私が悪いことをしたみたい。
無事に荷物は受け取れたけど、後味はすごく悪かったです。
特に、宅配業者の人には、そこまでして家の中に人を入れたくないんだな、感じ悪いなと、そう思わせてしまったことだろう。
笑顔で「置きますよ」と言ってくれていたのに、私が受け取って顔がこわばっていたから。
不快感を与えてしまったことは感じました。
その後帰宅したモラハラ夫に、私が受け取ったと説明しました。
義父が受け取っていないことは、義父が喋ればバレてしまう。
なので、正直に言いました。
「え?持てたの?ふ~ん」といった反応で、怒られることはなかった。
よくよく考えれば、いくらでもやり方はあった。
宅配業者の人に、玄関マットの上に置いてもらい、穏便に荷物の受け取りをすませた後に、義父に、さも今インターホンがなったかのように装って連絡する。
義父がきたら、私が自分で受け取ったと説明して帰ってもらう。
他にも、義父に電話をかけるのは忘れていたとか、業者が来る前に義父に電話をして、モラハラ夫から何を言われたのか確認するとか、とにかく幾らでも他に策を考えることは出来た。
嘘も方便って言葉があるのに、何をバカ正直に、モラハラ夫の指示に従わなきゃいけないと思い込んでいたのだろう。
最初、わけのわからないやり方で荷物の受け取りを指示された時、そんな受け取り方はしたくないと反発しました。
宅配業者の人に失礼だし、迷惑がかかる。
でもモラハラ夫は平気です。
自分が実行するわけではないから。
モラハラ夫が宅配業者の人に迷惑をかけるのではない。
私が迷惑をかけるから、自分じゃないから、だから平気。
荷物の受け取りをめぐって、「父親を呼べVSそんなやり方は嫌」で夫婦喧嘩をし、私が折れてしまった。
大声で怒鳴られて、命令されて、「絶対に家にいれるな」を何度も強調されて。
そのやり方はおかしいと訴えても、聞きやしない。
ここでもモラハラの手口があるのですが、この受け取り方に納得しない私がおかしい人間であるかのように言ってきます。
「こんなことでケンカするのはおかしい」
「こんなことでいちいちケンカなんかしたくない」
そう言ってきます。
私が反発するからケンカになるのだと、些細なことに反発してイライラして怒りをぶつける妻は異常だと、私が加害者でモラハラ夫は被害者という構図を作ります。
なぜなら、正しいのは常に俺であり、間違っているのは常に妻である。
モラハラ夫の常に自分が正しいと思う、正しい病になっているから。
そしてこの「家の中に他人を入れるな」というルール、あれだけ私に何度も宅配業者を入れるなと説教していたくせに、この日を境に別にいいかと気が変わったよう。
私が、宅配業者の人に失礼なことをして、すごく嫌な気分になったとモラハラ夫に話したからですが、「それもそうか~」「まぁ、もう別にいいよ」「はいはい、もういいだろ」と、次からは玄関マットの上に置いてもらうやり方でもよくなった。
次から宅配業者の人に迷惑をかけなくてすむと、ホッとしたけど、イライラもした。
そんなに簡単にあっさりと意見をかえるの??
長々と受け取り方をめぐって喧嘩した時間は何だったの??
昨日、私が、そのやり方は嫌だって言った時は変えなかったくせに。
よほどのこだわりがあるのかと思えば、あっさりと意見を変える。
この話以外にも、何度も何度もモラハラ夫のルールに振り回されて、とても疲れました。
その後、友達も家の中に入れてよくなった。
もちろん、「今まで反対していてごめん」なんて言葉はない。
なぜ友達を入れてもよくなったのかは謎です。
モラハラ夫は、妻を孤独にして支配するので、私の交友関係を断つ目的もあったのではないかと思いますが、妻に友達がいないというのも、モラハラ夫の外面としてはマイナスなのでしょう。
それか、何もかもどうでもよくなったか。
業者を入れるなら友達も入れてもいいよ。もうどうでもよくなったよ。
これが一番可能性が高い気がします。
何か問題が起きた時、話し合うことが大切です。
お互いに歩み寄り、妥協できるポイントを探す。
そんなことが一切出来ないのがモラハラ加害者です。
話し合いというよりは、一方的にルールを押し付けるだけ。
私が反発すれば、キレて何をするかわかりません。
自分でも、なんでモラハラ夫のルールを守らなければいけないと思っていたのだろうと不思議です。
自分の意思で、ルールを破ればよかったのに。
ルールを破ると怖いことが起きる。
モラハラ夫の機嫌を損ねると、何が起きるかわからない。
ルールを守らないと、自分が安全に暮らせない。
そう、思い込まされていたから、理解できないと思いながら、嫌だと思いながら、やらなくちゃいけないと思い込んでいた。
洗脳されていたんだなと、本当に、改めて思いました。