今日はDV相談支援センターのことを掘り下げて書いていきます。
ここでの面談はいつも一時間でした。
個室で話を聞いてもらいます。
私は娘をベビーカーや抱っこ紐で連れて行ってたのですが、娘がぐずって話が出来ない時があります。
そんな時は職員の方にオモチャやぬいぐるみを貸していただいたり、抱っこで部屋から連れ出していただいたり、アンパンマンのDVDを流していただいたりと、話が出来る環境を作っていただいていました。
私は夫に洗脳されていて、でも洗脳されていることに気付き、それでもまだ洗脳が解けていない中途半端な状態で、夫の言動や自分の気持ちを話していました。
相談員の方は一つ一つ、夫が悪いのだということを説明してくださりました。
何を話しても、私が否定されることはなかったのです。
「この夫は、正しい病なんです」
そう言われて、初めて聞く言葉だと思いました。
「常に、自分こそが正しい」
「間違っているのは常に妻」
なるほどと思いました。
「この夫は、自分が被害者だと思ってるんですよ」
「この夫は、あなたに怒ってる」
「何故なら、あなたがダメだから」
「あなたが役立たずだから」
「夫はそう思ってるんです」
夫から見た私を説明されて、思い当たることがたくさんありました。
夫があまりにも子どもにイライラしていた時、いつか子どもに手をあげるのではないかと不安で、夫に一度話したことがあるのですが、
「俺のことをそんな目で見てたのかよ!!」
とキレられたことを話せば、
「それはそうですよ!」
「そんな目で見なきゃいけないんですよ!」
と言ってもらえました。
夫がモラハラをしないで平和に過ごせる日があることを話せば、
「モラハラする人だって毎日モラハラしてるわけじゃないからね」
と言われて確かに!と思えました。
モラハラがない期間も存在するのです。
モラハラをやめてくれたのかな?
もしかして、普通に過ごせるのかな?
最近平和だから、もう大丈夫なんじゃないかな。
たまたま機嫌が悪くてイライラしてただけだったのかな。
もう嫌だって思ってたけど、こんなに普通に過ごせるんだったら、大丈夫かな。
普通の暮らしは楽しいな。
そう、モラハラがない期間は、まるで普通の家族のように過ごせるのです。
だから錯覚してしまう。大丈夫なんだって。
大丈夫だと思ってたら、また、モラハラは始まります。
嫌だな、しんどいな、楽しくないなってことが続いたら、またモラハラがおさまったりします。
このあたりのことは義妹にも説明されて、夫がモラハラをしない期間をハネムーン期だと呼ぶのだそうです。
この期間に入ると、幸せを感じるのだそうです。
私、夫との外出で、一度だけ、とても楽しく過ごせた記憶があるのですが、それはまさしく夫の巧妙な手口にはまった結果だったのです。
その外出とはまだ子供が生まれる前なんですが、私の行きたい場所に連れていってもらって、食べる場所も私の希望を聞いてもらって、さらに、ここが大事なんですが、一度も夫が不機嫌にならなかったのです。
夫は外出すると必ずといっていい程不機嫌になります。本当に些細なことで機嫌が悪くなり、イライラをまき散らします。その度に周囲の人が不快に思わないかヒヤヒヤするし、夫へイライラして楽しくないのです。
でもその日は夫はイライラをまき散らすことを我慢していました。
そう、思い返せば夫は不機嫌になっていたんです。
でも、周りにイライラをアピールしなかっただけ。
しかもそれを、「今日はどんぐり子ちゃんの為に我慢してるだろ」とか言ってました。
「わかってると思うけど、俺、我慢してるからね」と言い、俺の機嫌は悪いけど、どんぐり子ちゃんの為に怒らないでいてあげるよってスタンス。
私、それを、我慢してくれてるんだと思ってました。
私の為に我慢してくれてる。大事に思われてると思ってました。
普段の外出は夫の行きたい場所へ行き、夫の食べたい物を食べます。
そもそも夫は休日の度に一人で遊びに行くので、私は留守番ということが殆どです。
一緒に出掛ける約束をしていても破られることが殆ど。
だから、とても、特別だったのです。
一緒に出掛けることも、私の希望を聞いてくれることも、私が嫌がることをやめてくれることも。
この日だけは特別で、楽しくて、すごく幸せな記憶として残っていて、その後夫に酷いことをされても、楽しかった思い出の方を本当の夫なんだと思い込もうとしていた気がします。
大事にしてくれていたこともあったし……とか思ってました。
ただの、普通の外出です。しかも恩義せがましい。
それを、ありがたいことだと感謝していました。
本当に洗脳されてたんだな……と、本当に気付かなかった……と、ショックを受けています。
身体的DVと同じですね。
殴った後に抱きしめる。
同じことをされているのに、身体的DVのことは知っていたのに、自分のことには気付けなかった。
「とても巧妙な手口で、あの手この手であなたを手のひらの上で転がしています」
転がされてました。
「どんぐり子ちゃんは家庭内のヒエラルキーの最下層にいるんだよ(笑)」
と夫がよく言うことを話せば、
「あなたが最下層な根拠は何なんですか?」
と、そう言われて、そこで初めて、何の根拠もなかったことを思い出しました。
「どんぐり子ちゃんはピラミッドの一番下」
「どんぐり子ちゃんは俺と対等じゃないんだよ」
等々夫は常日頃から当たり前のように何度もことあるごとに口にしていたのですが、確かに、何の根拠もない。
夫に理由を聞いたことがあるのですが、
「俺は自分のことが一番大事」
「金を稼いでいる俺が一番偉いから」
と、夫が勝手にそう言ってるだけなのです。
結婚してからずっと、私が何度もやめるように言っても笑いながら言い続けていた夫。
私が怒る度に、
「冗談も通じねえのかよ!!」
「冗談だってわかるだろ!!」
「何で本気にすんだよ!!」
と激しく怒り狂うので、そのうち聞き流すようになりました。
それも、
反論したら嫌な思いをすると、学習してしまったからだそうなんです。
確かに、いつしか夫の「どんぐり子ちゃんは一番下(笑)」発言と戦うことをやめてしまっていました。
何度も夫の発言は冗談に聞こえないと説明したんです。
冗談のつもりだとしても、私は不快なだけで全然おもしろくないことも。
私は何も面白くない、笑えない、だから冗談として成立しないと説明したのです。
何故私が嫌がることをわざわざするのかと怒れば、
「どんぐり子ちゃんってさ、真面目だねって言われない?」
「つまらないね」
「周りの人からもそう言われてるんじゃない?」
「もうちょっと冗談を受けれるようになった方がいいよ」
「ノリ悪いって言われない?」
「そんなんじゃ社会に出てやっていけないよ」
「人付き合いに苦労するよ」
「社会に出たらさ、例えば酒の席で冗談を言われることもあるわけじゃん。その時にも今みたいに怒るわけ?」
「嫌なことを言われても皆我慢してるんだよ。取引先の人がその場にいたら仕事として成立しないだろ。スルーするスキルを身に付けないとやっていけないよ」
「どんぐり子ちゃんに働くことは無理だね」
と、話をすり替えて私を攻撃してくるのです。
夫の手口が巧妙なところは、事実を混ぜてくるところです。
確かに私は周りの人から真面目だねと言われることが多くありました。
ノリが悪いと思われることも多くあったし、人付き合いが得意でない自覚もあります。
夫は冗談を冗談だと思えない私に問題があると説明します。
そして、何度も私が下なのだと説明されるのです。
「ぷぷぷ(笑)」と言いながらニヤニヤして私が下の立場であることを夫は説明するんですが、本当に、何でこんな発言聞き流してたんでしょうね。
あまりにも日常的に言われすぎて、また言ってるな、くらいの感覚になっていました。
この発言が酷いのだという認識が薄れていました。
例えば、モラハラを日記に記録するなら、このことは書かないのです。
何故なら、それが日常だから。特別なことではないから。
今日は歯磨きをしたとか、朝起きたら顔を洗ったとか、いちいち日記には書かないですよね。
そのくらいの感覚です。
当たり前に言われすぎて、言われ慣れて、根拠なんて、考えもしなかったです。
面談では徹底して夫が悪いのだと教えてもらいました。
「決めるのはあなたです」と前置きはあったものの、離婚した方がいいと教えてもらいました。
ただ、モラハラ夫との離婚が難しいことも教えてもらいました。
モラハラ夫はモラハラの自覚がないので、自分の何が悪いのか理解しないのです。
自分は何も悪いことなどしていないと思っているので、離婚に応じないのです。
そしてモラハラは治らない。
自覚がないのだから治しようがない。
モラハラ夫の特徴として、
会話が成立しない
というのがあることを教えてもらったんですが、
すごく当てはまっていて、
夫とも義父とも会話が成立しないんですよね。
言ってることが全く理解できなくて、日本語が通じなくて、なんて説明していいのか、とにかく言葉が通じない。
本当に、こっちの頭がおかしくなるんじゃないかってくらい、言ってることが理解できないのです。
結婚前に夫の本性を見抜けなかったことを話せば、
「ここに来る方は、皆さんそう言われるんですよ」
「そーゆーものなんですよ」
そう言われ、見抜けなかったことに罪悪感を持つ必要はないことを教えてもらいました。
様々な話を聞けば聞くほど夫の行動はモラハラ夫の特徴として当てはまり、本当に典型的なモラハラ夫だったようです。
私、普通に生活してたんですよね。
それが当たり前だと思っていたから。
それが夫の手口だと気付かずに。
当たり前ですが、洗脳されてる人は洗脳されてるから洗脳されてることに気付かないんですよね。
本当に、びっくりです。
でも、それが解けて、何だか魔法にかかったような時間でした。